今年の1月に公開されているTED動画で、興味深いものがあったのでシェアします。
個人でもできるバイオハッキング(エレン・ジョーゲンセン)
日本語字幕付きはこちら。
分子生物学者のエレン・ジョーゲンセンは、私たちの生活に莫大な影響を与えうる”バイオテクノロジー”(生物工学)は、科学者や研究機関で働く人たちだけではなく、もっと多くの人が関われるようになるべきだと話します。
「研究者は、自分のラボで何を行っているか説明するのがすごく下手なんです」とエレンは言い、バイオテクノロジーをあらゆる人のものにする運動「DIYバイオ」について話します。そして、エレンは3年前に、非営利のバイオテクノロジー研究所「ジェンスペース」をニューヨーク市に設立。多くの人が講義を受けたり、交流したり、ラボを見学できるような場を作りました。
新しい技術が開発されると、そこには常に社会的、道徳的、倫理的問題がつきまといます。「ジェンスペース」設立直後は、一時的にメディアに叩かれ、辛い時期はあったものの、今では世界中に同じような人々がいることがわかり、バイオハッカーのコミュニティがどんどん広がってきているそう。
安全のガイドラインを守ってさえいれば(病原菌を扱わないことは当然)、プロジェクトの正当性や実現性を誰かに説得する必要はないので、例えば人類を救うような技術や発見が生まれやすくなります。エレンは、こうした活動を続ける中で、「誰にバイオテクノロジーをする権利があるのか?」という認識を変えていきたいとのこと。
* * *
TED公式ページでのビュー数が40万回と、そこまで多くなく、ネットでもあまり話題になっていなかったので取り上げてみました。生物工学については、特に道徳的や倫理的な問題で取り上げられることが多い印象なので、取り扱いには注意しなくてはいけない一方、私たちの生活を劇的に変える可能性を秘めている分野ですから、技術者だけのものに留めておくのはもったいないかもしれませんね。
私は高校時代から生物は大好きなのですが、専門的なことはわかりません。でも、IT技術が発達してきた中で、個人ができることの範囲がどんどん広がっていますから、自分のできる範囲で(DIY)、このような分野に個人として関われるとしたら、ちょっとワクワクしちゃいますね。
10分程度とTEDの中では短めなプレゼンなので、気になる人は観てみてください。
TED公式サイトにて日本語字幕の動画がみれます。
参考リンク
GENSPACE
Am I a biohazard? > The Scientist
Ellen Jorgensen @FeyScientist